とあるオタクの舞台裏

漫画の感想や演劇のことを書きます

結婚するって、本当ですか 4巻感想後半(デートするって、大丈夫ですか)

前のブログからすっごく時間が空いてしまいました。

書こう書こうとは思ってたんですけど、現実での色々:めんどくさい:ゲーム=3:2:5くらいの理由で放置してました。僕、他の人が書いてるアニメとか漫画の感想とか偶に見るんですよ。そういうときに記事の更新が1ヶ月とかされてないと「パパっと書いちゃえばいいのに」とか思ってたんですけど、実際に自分が書く側になってみると面倒くさいですね、これ。頭の中に浮かんでいる文字を実際にPCに打ち込む操作が想像以上に面倒くさいです。

まあそんなことはどうでもいいので前回の感想の続きを書いていこうと思います。前回の感想見返したら状況説明みたいなことしか書いてなかったので、今回は出来るだけそういうのを減らして感想だけを書いていこうと思ってます(というか前のシステムだと書くの面倒くさ過ぎて書く気が起こらないだけ)。

 

※このブログにはネタバレが多く含まれているため、原作未読の方は実際に読んだ後にまた見に来てください。ネタバレ後の方が楽しめるという方は特に止めないので普通に読んでいってください。

 

ということでまずは本成寺さんがナオと一緒にガラス細工をするシーンですね。4巻前半部分の権田関連のことは一旦置いておいて、ここからは4巻の1番初めにしか登場していなかった本成寺さんのターンです。

初っ端から話の本筋から外れるんですけど、こういうガラス細工の体験とかいいですよね。僕、こういう体験系のやつは修学旅行でのお茶点てとかそういうのしかやったことないんですけど、若干非日常感があって楽しかったです。ガラス細工の場合には作るだけじゃなく、その後には自分で使ったり、誰かにあげたり出来るので自由度が増してより楽しそうです。でも今のご時世だとそういう体験もしにくいですよね。もう少し自由が増えたら旅行も兼ねてそういう体験をしに行ってみたいものです。

という訳で話を戻します。ナオの勧めからガラス細工体験をすることになった本成寺さんですが、うーん、真剣な表情をしながら作業をしている本成寺さん、いいですねぇ。作業スタイル(というか髪結んだ姿?)とてもいいですよね。3巻でもメロンの収穫をするときに着替えていましたが、それもよかったです。このシーンに関しては本成寺さん可愛いとナオの行動力すごいしか言葉が出てこないので次に進みます。

ガラス細工体験を通して本成寺さんの悩みが少し晴れたところにある人からメールが送られてきます。そのメールに対してすごくなんとも言えない表情を浮かべている本成寺さんですが、そのメールを送ってきた相手は・・・・・・お母さんでした。その後なんやかんやあって本成寺さんとお母さんが会うことになる訳ですが、本成寺さんのお母さんは本成寺さんと比べてとてもエネルギッシュですね。本成寺さん風に言うとバイタリティーがすごいです。僕も本成寺さんサイドに思考が近いのでこういう人に気圧されちゃうのめっちゃわかります。まあお母さんが本成寺さんにすごい勢いで話しかけるのも悪気がない、というかむしろ善意でやってるのは分かるんですけど、親がこのペースで話してくる人だったら「〇〇やってみたい」とかそういうのすごい言いだしにくくなりそうですよね。

僕がこのシーンで一番きつかったのはお母さんのこの台詞です。

「そーよね、ちゃんと考えてるんだよね。リカさんが決めることよ。リカさんの人生だもの。」

この言葉聞いた本成寺さんの顔見てみてくださいよ。めっちゃ死んでますね。多分僕もこんなこと言われたらあんな顔なりますよ。まあ僕の場合は今大学生だからってのもあるんでしょうけど......。自分の人生、色々決めなくちゃいけないんですかね?頭では確かにちゃんと決めて色々行動しなきゃいけないとか思ってたりはするんですけど、どうしても向き合いきれないんですよね、今見えてるもの以外に。現代日本に住んでるからなのかは分からないですけど、なんやかんや現状維持である程度楽しいんですよ。確かにこのお母さんが言うように目標を決めて一つずつ達成していけば、また新しいものも見えてきて今以上の人生を得られるのかもしれないんですけど、そこまでして代り映えを求めたいかと言われると全然そんなことないんですよね。本成寺さんの場合は地図を見ていれば幸せと考えているように、一つの幸せに対する価値観って想像以上に人によって違うと思うんですよね。このお母さんのように色々と挑戦してみることこそが人生、己の目標、夢の追求が生きる活力みたいな姿勢で生きている人が存在するのもわかるけどその人に同意は出来ないよね、という感じです。まあ本成寺さんがここまで考えているのかはわかりませんが、こういう生き方をしている人が身近にいたらやっぱり「自分なんて......」という気持ちは出てきてしまいますよね。友達とかなら生き方、考え方の違いなんて往々にしてあるのでどうってことないんですけど、親子ってなるときついですよね。しかも世間的?一般的?に考えてお母さん側の考え方をしている人の方が立派な気がしてしまいますもんね。そんな「立派な人」の子どもなのに私は......とか考えてしまいそうです。

本成寺さんも僕のように(僕の意見は色々おまけが多すぎるけど)色々と考えていたところ、お母さんに急にこんなことを聞かれます。

「ところでリカさん、結婚しないの?」

めっちゃ急に結婚の話になりましたね。まあ割とあり得る展開ではあったわけですが。この辺りのお母さんの話を見ると、本成寺さんにお父さんがいないのは病死などではなくやはり離婚っぽいですね。お父さんとの離婚があったからなのかお母さんの結婚に対する思いは強そうです。本成寺さんはお母さんにそんなことを突然聞かれてとても焦ってますねぇ。というか普通お母さんとかに聞かれるなら「彼氏できた?」とか「気になる人はいるの?」とかですよね。まあお母さんが急にこんな質問をしてきたのには訳があった訳があったわけですが。なんと、これまでに出てきた拓也や本成寺さんに電話をかけてきた謎の人は本成寺さんのお母さんとの繋がりもあったようです。もしかしたら一人ではなく複数人かもしれませんけどね。

そしてここで本成寺さんのお母さん編は終わり、タイトルにもあったように拓也と本成寺さんのデート(?)編へと移っていきます。お母さんからの期待や諸々によって自分のことを深く見つめなおそうとしている本成寺さんですが、色々と考えているうちに思考がすごいところに吹っ飛んでしまいます。

「この訳もわからぬ、レンアイやらケッコンやらが、私を苦しめている!! このレンアイの連鎖を、今すぐ断ち切らねば!!」

ということで本成寺さんの拓也に本当の自分を見せることでガッカリさせる大作戦が始まります。ここで本成寺さんがこのデートを決行するために拓也宅に乗り込みデートの誘いをしてるんですけど、1巻でのいきなり偽装結婚を持ちかけるところとかクラウディアと拓也が話しているところに乗り込んだりとか、そういうときの行動力がすごいですね。そういう所がお母さん似なんですかねぇ。

本成寺さんが拓也とのデートに選んだのは玉川上水めぐりでした。普段の自分を見せるとともに、玉川上水めぐりという普通の人はあまり面白いと感じないようなことを一緒にやらせることで自分はこんなことを楽しいと思ってしまう人間なんですとアピールすることで拓也に呆れさせる、がっかりさせる作戦です。・・・・・・正直読者からするとそんなことで拓也がガッカリする訳ないだろという感じなのですが、自分のことをつまらない人間だと思っている本成寺さんは、こんな自分を拓也に見せたらガッカリするだろうと思い込んでるんですよねぇ。拓也側からしたら普段見ることのできない本成寺さんを見ることの出来るいい機会でしかないんですけどね。そんなこんなでデートが進んでいきます。後全然関係ないんですけど、p139にある本成寺さんが色々考えながら拓也にぐぐっと近づくシーンは同作者の「神のみぞ知るセカイ」の汐宮栞を思い出しますね。というか全体的に本成寺さん見てると栞思い出しますよね。それと、また少し話が変わるんですけど、このデート中に出てくる景色、とてもいいですよね。というかこの景色に限らず本作品で出てくる景色はすごく印象に残りますよね。阿蘇の景色なんかも特に。この作品はなんというか一枚絵から何かを伝えるシーンが多く感じます。まさに漫画だからこそ出来る表現という感じがしますね。僕は演劇を少しやっているんですけど、こういうその媒体でしか出来ない表現というのは憧れます。例えば舞台で言ったらそのときそのときにしか出来ない間、観客とともに作り上げる空気感のようなものがあるわけですが、この作品には色んな場面で漫画でしか出来ない表現、漫画だからこそ出来る表現が詰まっていると感じます(僕がこの作品を好きだからほかの作品と比べて色々考えているだけなのかもしれないけど......)。

想像以上に脱線したので話を戻します。一気にデート終盤の方、本成寺さんが拓也に妄想しているとこを見られるシーンまで飛ばします。で、このシーンなんですけど、このp149 2コマ目の拓也やばくないですか?めちゃめちゃ幼く見えますよね。所見の時「幼っ!」って思ったの覚えてます。また話が脱線してらぁ。拓也に話しかけられ妄想は中断されるわけですが、ここで本成寺さんが拓也から一緒にいて楽しいと言われ、色々考えます。こんなことをして楽しい訳が無いとか、こんな人がいるわけないとか。色々なことを考えた結果、本成寺さんは拓也に対してこう言います。

「だからもう、会うのはこれっきりにしてください。」

ええええええええええ色々吹っ飛んだな!今回のデートによって拓也は自分にがっかりして全部終わると思っていたのに、拓也は楽しいとか言うし、ずっと付いてくるし、そんなあれやこれで頭の中がごちゃごちゃになってしまい一刻も早くどうにかしたくなったというのはなんとなくわかりますが、ずいぶん吹っ飛びましたね。まさか急に別れを告げるとは思いませんでした。本成寺さんに別れを告げられた(別に付き合ってないから別れを告げられたという表現は正しくないか)拓也は、特に何か言うことも出来ずそのまま受け入れてしまうのでした......。

 

 

まあここで終わる訳がないですよね。

本成寺さんは考えます。ガッカリしたくないから、ガッカリされたくないから、いつも自分の気持ちを抑えてきたけど、本当にそれでいいのかと。勢いで会うのはこれっきりにしてほしいとは言ったけど、本当は拓也と一緒にいたいと。

拓也も考えます。本成寺さんに会うのは止めようと言われたのをそのまま受け入れてしまったけど本当にそれでいいのかと。本当にこのまま本成寺さんとの関わりを絶ってしまっていいのかと。

その場から離れたくなく止まっている本成寺さんの手を、大切な人を失わないために勇気を出した拓也が引っ張って、そのまま......

ええええええええええええええええええええキスしたああああああああああ!

そして登場人物二人の頭の中も読者と同じようにええええええええええ!!となっております。そしてキスした二人の間になんとも言えない沈黙が流れ、喋りだそうとした拓也を本成寺さんが制止してまた沈黙が流れ......。ようやく本成寺さんが口を開きます。内容は、今回のデートは、偽装結婚のはずだったのになぜ二人で阿蘇に行ったり、告白やらなんやらが起きてしまったのかを把握するために計画されたものだった、なのにどうして色んなことが起きてキスしてしまったのか、というものです。なんでなんでしょうね。まあ二人の気持ちがいい感じに交錯して起きたことだとは思うんですけど、本人たちではないので読者にはわかりませんね。拓也に対してそれらのことを告げると、本成寺さんは拓也を一人残して家に帰ってしまいます。まあ拓也側からしても帰ってもらった方が嬉しいですよね。残された拓也は本成寺さんに対してよくあんなに冷静でいられるんだと思っているわけですが、実際の本成寺さんは.....超パニック!家に着くなりリュックを投げ捨て、必死で落ち着こうとしてるのにさっきの光景が頭に浮かんできてうぁー!となっているのでした。このシーンは是非実際に購入して見てもらいたいです。糸目本成寺さんとても可愛いです。

 

という訳で今回の話は二人の関係性が精神的に、物理的に?も進歩する話でしたね。本作の話の流れは早いとは思っていましたが、恐らく偽装結婚計画が出てからおよそ一ヶ月でここまで進むとは思っていませんでした。前回の権田の話と比べて、やはり主役組二人の話はあまり暗くなくていいですね。重い話もいいですけど、個人的にはやっぱこういう話の方が好きです。一気に進んでいってる二人の関係性がここからどうなっていくのかが非常に楽しみです。なんかこの感じだと180日ぐらいたったらもうだいぶ佳境に入ってそうですよね。今から楽しみです。でも次巻の発売が2021冬なんですよね。ああー、早く発売されないかなぁ。

今回の記事は以上です。ここまで読んでくれた方がいるならありがとうございます。もし感想とかあったら書いてもらえると多分喜びます。あと多分次は演劇関連の何かを書こうと思ってます。いつになるか分からないけど。